美タミン通信 11月号
- 12月 14, 2021
- Blog
こんにちは!皆さんは『脂肪』と聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?肥満、高血圧、動脈硬化など、体に良くないイメージをもたれている方もいらっしゃいるかもしれません。脂肪は多すぎても少なすぎても私たちの身体に大きな影響を与えます。
今回は、脂肪の役割についてお伝えします!
脂肪を知って味方にしよう!
脂肪は体にとって悪いものと思うかもしれませんが、三大栄養素の一つで声明を維持するためにエネルギーの貯蔵源として必要不可欠なものになります。体温を保つ働きや外部の衝撃から内臓を守る役目を果たしたり、身体の機能を正常に保つために必要なホルモンや細胞を作り出す働きもあります。脂肪が極端に不足すると、髪の毛や皮膚などのツヤ・ハリがなくなり、ホルモン分泌の以上や女性は月経異常などの症状が出てしまいます。
体脂肪の種類・・・
身体に貯えられた脂肪や血液中に含まれる脂質のことを総称して体脂肪と言います。血液中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の大きく分けて4つの脂質があります。
1. コレステロール
コレステロールの約8割は肝臓など体内で合成され、約2割は食事から摂取されます。ホルモンやビタミン、細胞を包む細胞膜の素材となる大切な素材です。足りなくなると、肌や髪の毛がパサパサになったり、細菌に感染しやすくなったり、血管の細胞が弱くなって、出血などが起こりやすくなります。コレステロールは体内で代謝され排出されますが、98%〜99%は再吸収され肝臓に戻るため、食事でコレステロールを多く摂取すると体内に蓄積されやすくなり、過剰なコレステロールは血管壁に沈着して動脈硬化の原因となります。また、コレステロールには『LDLコレステロール』と『HDLコレステロール』があります。
LDLコレステロール・・・肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがありますが、使わないコレステロールは血管や末梢の組織に置いてきてしまうため、血液中に残ったLDLは血管壁にじわじわ染み込むように蓄積されます。持続的に起こると血管が炎症を引き起こし、血管内の壁が厚くなり血管全体が硬くなります。これが動脈硬化と言われる状態です。そのためLDLは悪玉コレステロールといわれています。
HDLコレステロール・・・血液中の余分なコレステロールを肝臓に運ぶ役割をしています。末梢組織で使われなかった血液中のコレステロールを回収してLDLが増えるのを防いでくれるため、HDLは善玉コレステロールといわれています。血液中のHDLが低い状態だと動脈硬化や心臓疾患のリスクが高まることがわかっています。
2. 中性脂肪
中性脂肪は食事から摂取され、腸から肝臓へと運ばれます。その後、肝臓から血液中に放出された中性脂肪は全身に運ばれ主に心臓や血管、筋肉のエネルギーとして使われます。エネルギーとして使われず余った中性脂肪は、皮下や内臓周りに蓄積されます。これが、皮下脂肪と内臓脂肪と呼ばれる体脂肪のことです。
皮下脂肪・・・皮膚の下にある皮下組織という部分に蓄積される脂肪です。腕やお尻、太もも、下腹部などにつきやすく、女性につきやすいといわれています。体温の保持やぶつかった時の衝撃を吸収して守ってくれる役割があります。生活習慣病のリスクは少ないとされていますが、体重が増えると関節や心臓、血管への負担が増えて内臓を圧迫したりなど様々な問題を引き起こす原因となります。
内臓脂肪・・・内臓の周りにつく脂肪のことで、ここに脂肪がつくとお腹周りがポッコリと出てきます。体重はさほど変わりがないのに、痩せ型の人や標準体型の人でもウエストが太くなると、内臓脂肪がつき始めているため注意が必要です。内臓脂肪は生活習慣病に関係がとても深く高血圧や糖尿病などのリスクに繋がります。
3. リン脂質
リン脂質は、主に細胞を包む細胞膜の素材になります。リン脂質が不足すると、細胞膜の正常な働きを保つことができなくなり、血管にコレステロールが蓄積しやすくなり、生活習慣病に繋がる症状を引き起こします。
4. 遊離脂肪酸
遊離脂肪酸は、中性脂肪が体内の酸素によって分解され作られた脂肪で主に心臓や血管、筋肉のエネルギーとして使われます。中性脂肪が増えると、こね遊離脂肪酸が血液中にも増え血糖値を下げる役割をもつインスリンの機能を低下させるため、血糖値を高くしてしまうことがあります。
バランスよく脂肪を摂取しよう!
三大栄養素の1つの脂質は、身体のエネルギーや細胞の構成など生命維持に必要不可欠なものです。体内の脂質は食生活の影響を強く受けます。脂質は摂取しすぎないことが大切ですが、身体に良い働きをするものもあり、資質の主要な構成要素である脂肪酸は他の様々な形体の物質と結びつくことで脂質を形成している為、脂質を摂取することは人の健康にとって欠かせないものであると言えます。特に食材の中でも肉類は『飽和脂肪酸』、野菜や魚類は『不飽和脂肪酸』を主体とした中性脂肪が作られます。
飽和脂肪酸
体内で合成することが出来る脂肪酸で、主に乳製品、バターやラード、肉の脂身などの動物性脂肪に多く含まれています。身体にとても大切なエネルギー源ですが、これらの脂肪は固まる温度が高いため(バターやラードは常温でも固まる脂質)、脂肪の多い肉を摂取して数時間経つと脂肪分が固まって血液の粘度が高くなります。飽和脂肪酸を摂り過ぎると、血液中のコレステロールや中性脂肪が増え、血液の流れが悪くなり動脈硬化などの危険性を高める事になるため、動物性脂肪の多い食事は摂取量に気を付けましょう。
不飽和脂肪酸
植物や魚に多く含まれている脂肪酸です。オリーブ油に多く含まれるオレイン酸は血液中のLDLコレステロールを下げる効果があると知られています。オレイン酸は酸化しにくいため、発ガン性のある過酸化脂質(コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素により酸化されたもの)が体内で作られにくい特徴があります。不飽和脂肪酸の中には、オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸があるのですが、体内で合成出来ないため食事で摂取する必要がある必須脂肪酸になります。これらは動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなどの作用を持っています。しかし、 熱や光、空気で酸化しやすく、過酸化脂質なりやすいため注意が必要です。揚げ物や炒め物より蒸し調理や煮る調理、生で食べれるものはそのままドレッシングなどで摂取することをオススメします。