美タミン通信 12月号
- 12月 09, 2020
- Blog
こんにちは!冬になると静電気が発生しやすくなり、ドアノブを握ろうとした際など『パチッ』となり痛みを感じた経験はありませんか?
静電気は不意に起こるためびっくりすることが多いですよね。
今回はそんな不快な静電気についての対策などをお伝えします!
静電気対策
私たち人間の身体を含め、どんな物質も全てプラスとマイナスの電気を持っています。プラスとマイナスの電気量は同じ数だけ持っており、バランスよく釣り合った状態です。本来、電気的に中性な状態(プラスとマイナスが釣り合った状態)は、マイナスでもプラスでもない状態なので、静電気を帯びていません。この状態で物質が触れ合っても静電気を帯びていないので、パチッとすることはありません。しかし、衣類の着脱や車のシートと身体が擦れあったりなど、日常の様々な動きにより異なる物質同士が擦れたりすることで、物体のマイナスの電気が他の物質に移動します。移動した物質にはマイナスの電気が多くなり、もう片方はマイナスの電気が少なくなったのでプラスの電気が多い状態となります。このバランスが崩れた状態で電気が溜まっている事を静電気(帯電)と言います。静電気を帯びたものは、電気的にバランスが悪い状態なため、元のバランスに戻ろうとします。この戻る動きを放電といい、物と物との間には電流が流れます。
例えば、ドアノブがマイナスに帯電している時に、自分の身体がプラスに帯電していた場合は、ドアノブを触れようとした際にマイナスの電気が一気に手に移動して流れ込みます。その時に『パチッ』となり、軽く感電している状態になるため痛みを感じます。
冬に静電気を感じやすいのはなぜ?
一般的に静電気は冬だけでなく通年起きていますが、湿度が60%〜65%以上ではでは発生しにくく、40%以下になると静電気が起きるといわれています。通常、身体に溜まった静電気は日常生活の中で、空気中の水分や足元から放電していきます。特に湿度の高い夏は、空気中の水分を通して自然と放電されます。水は電気を通しやすいため空気中や物質の表面や内部に水分が多いと自然に水分を通して放電されます。しかし冬は空気中の水分が少ないため、静電気が逃げにくいことから身体に溜まっていきます。また冬に近づくと衣類の重ね着で身体を動かすたびに繊維同士が擦れ合うため、電気が溜まりやすくなります。寒いと汗もかきにくいため肌の潤いも不足し、乾燥した状態になっているので冬は静電気を多く発生しやすくなります。
静電気を溜めやすい人と溜めにくい人の違いは?
静電気に悩まされる人と冬でもパチッと静電気を感じない人がいます。静電気が起きやすい人は原因として、肌や髪が乾燥している、体内のイオンバランスが崩れている、衣服が電気を帯やすくなっているなどにより、静電気を溜めやすくなっていることが考えられます。
①肌や髪が乾燥している
静電気をためやすい人は、肌の水分量が少なく乾燥肌に多い傾向があります。肌は、表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、表皮には細胞が積み重なっている角質層があります。その角質層にはセラミドという細胞の間を埋めている脂質があります。このセラミドは肌の内部で水分を繋ぎ留めて、乾燥から肌を守る働きがあります。また肌の最も外側には皮脂膜という薄い膜があり、肌から水分が失われないようセラミドと皮脂膜の働きによって肌の水分量は保たれています。しかし、乾燥肌の人は水分量が少ないため静電気が放電されにくく、身体に溜まりやすくなっています。夜更かしや不規則な生活で寝不足になると、肌のターンオーバーに関係している成長ホルモンの分泌が乱れ、ターンオーバーのサイクルも崩れやすく古くなった角質細胞がいつまでも表皮に残り、セラミドなどの保湿成分が作られにくくなります。
②体内のイオンバランスが崩れている
身体の水分には電解質(イオン)が含まれています。電解質は、水に溶けると電気を通す物質です。この電解質は少なすぎても多すぎても細胞や臓器の機能低下や生命維持に関わります。飲料水などで摂取した水分は朝から吸収され、血液などの液体になり全身を循環しています。
- 水分をあまり摂らない
- 脂っこい食事が多い
- アルコールをよく飲む
- 野菜をあまり食べない
- 運動不足
- ストレスを感じやすい
- 睡眠不足
- 甘いものが好きでよく食べる etc…
上記に当てはまる項目が多い人は、血液や体内のイオンバランスが崩れプラスの電気が溜まっている状態になります。プラスの電気が溜まっていると血液の流れが悪くなりやすく、静電気を感じやすい体質になっている可能性があります。血液の流れが悪いと血液がドロドロになり、静電気を感じやすいだけでなく冷え性や肩こり、肌荒れ、関節の痛みなどの症状も出やすくなります。
③衣類が電気を帯びやすい
乾燥肌ではなく体内のイオンバランスも崩れていない人は、衣類の素材の組み合わせや選び方に原因がある可能性があります。冬は重ね着の季節ですので、衣類同士が擦れて静電気が発生しやすくなるのは衣類の素材に関係しています。衣類の素材によっては、プラスの電気を帯びやすい物とマイナスの電気を帯びやすいものがあります。このどちらの電気を帯びやすいかを順に並べたものを『帯電列』といいます。
一般には帯電列の位置が離れている、マイナスに帯電しやすいポリエステルと、プラスに帯電しやすいナイロン素材の衣類を重ね着すると静電気が発生しやすくなり、位置が近いポリエステルとアクリルの衣類の重ね着だと静電気が発生しにくくなります。予め、衣類の素材を確認しておくと良いでしょう。また靴は、ゴム底だと電気が逃げにくく静電気が溜まりやすいのでアースの役割を果たしてくれる革底がオススメです。足を床に擦らないように歩き方も意識しましょう。
今日からできる静電気対策!
静電気対策のポイントは主に『乾燥を防ぐ』『放電を促す』『静電気の発生を防ぐ』の3つがあります。
⑴乾燥を防ぐ
・肌や髪の毛を保湿する
ハンドクリームを手に塗るのも大切ですが、お腹や足、背中など衣服がよく擦れる部分もしっかり保湿しましょう。またお風呂に入る時は、湯船の温度が高いと肌の水分を守っているセラミドや皮脂膜を溶かしてしまい、より乾燥肌の原因になるため、お湯の温度は40度ぐらいまでを目安にしましょう。髪の毛は摩擦を減らす働きもあるトリートメントをつけると、静電気が起こりにくくなります。
・湿度を保つ
冬は空気が乾燥している上に暖房などで室内の空気も乾燥しやすいため、加湿をすることを心がけましょう。空気中の水分が増えると静電気が生じても自然に放電しやすくなります。加湿器がない場合はタオルを濡らして絞ったものを部屋に干したり、霧吹きで水を振りまいたり、観葉植物や水を入れたコップを置いたりすることもオススメです。
⑵放電を促す
・壁や木製家具などに触れる
ドアノブなど電気を通しやすい金属などに触れる前には、電気がゆっくり流れるコンクリートの壁や木製のものを触れると身体に溜まった静電気を逃してくれます。指先だけでなく、手のひら全体でしっかり触れておくのがポイントです。
⑶静電気の発生を防ぐ
・衣類の組み合わせ
プラスに帯電しやすい素材(ナイロン、羊毛)などは、マイナスに帯電しやすい素材(アクリル、ポリエステル)などと重ねるのを避け、なるべく同じ素材を組み合わせたり、静電気が発生しにくい素材の綿や麻などを取り入れたりすることも意識してみましょう。