美タミン通信 3月号
- 3月 30, 2020
- Blog
皆さん身体は柔らかいですか?長時間同じ姿勢をとり続けると身体が疲れたり凝った感じがして、ちょっと背伸びをするとスッキリして気持ちがいいですよね。
これは一種のストレッチになります。身体の柔軟性は姿勢維持や血流、自律神経にも関わるほど健康には欠かせません。今回は身体の柔軟性に関わるストレッチについてのお話です。
柔軟な筋肉は一日にしてならず
ストレッチ(=stretch)とは「引っ張る」「伸ばす」動作のことを言います。ストレッチは大きく分けると
①筋肉の柔軟性 ②血流の改善 ③リラックス
などがあります。
生まれつき身体が硬いから、ストレッチしても柔らかくならない・・・これは間違いです❕
誰しも生まれたばかりの赤ちゃんの時は、間接の柔軟性が高く筋肉も柔らかいので足が顔まで届き開脚も出来る状態です。小学生くらいになると運動が得意な人や苦手な人、外で遊ぶ子や家で遊ぶ子など、活動に個人差が出てきて身体能力にも差が現れてきます。大人になるにつれ運動量が減ったり、デスクワークなどで座りっぱなしや家事などで立ちっぱなしで作業したりと長時間同じ姿勢が続くと、身体が硬くなって血流が悪くなります。筋肉が硬くなる最大の原因は加齢ではなく、筋肉を動かさなくなることにあります。
柔らかさにはタテとヨコがある
ストレッチには「長時間同じ姿勢などで疲労して硬くなった筋肉がほぐれる」ことと「筋肉が柔らかくなったことで伸びやすくなり間接の可動域が広がる」という効果があります。
ストレッチをして筋肉がほぐれて柔らかくなることを横断的柔軟性と言います。筋肉を触った時の柔らかさのことで横断的柔軟性がないと筋肉がこわばりコリ固まってしまい血流が悪い状態になります。
また、ストレッチをして筋肉が柔らかく伸びやすくなり、間接の可動域が広がる効果を縦断的柔軟性と言います。筋肉の線維にそってどれだけ長く伸びるかということで、背中で両手を組めたり、前屈した時に床や足先に手がついたりなど筋肉が伸びる柔軟性が高いことを言います。筋トレをすると筋肉が太くなるように、ストレッチをすると筋肉の線維の末端が少しづつ長くなっていき、縦断的柔軟性が向上していきます。
POINT!
身体は柔らかいのに筋肉が硬く肩こりや腰痛などに悩んでる人(縦の筋肉は柔軟性があるけど、筋肉を触った時に硬い人)は、横断的柔軟性を向上させることが大事になります。入浴や適度な運動、整体やほぐしなどで身体を温めたり血流の流れを良くすることが大事で、血流が良いと筋肉が柔らかくなります。身体が硬く縦の筋肉の柔軟性が低い人はストレッチをすることで縮まった筋肉が少しずつ長くなっていきますので「継続的にストレッチ」を行う事が大事になります。
ストレッチの効果を一時的なものにしない為には?
ストレッチをする時に、どれくらい伸ばせばいいの?
時間はどれくらいしたらいいの?何回したらいいの?
どれくらい続けたら効果が出てくるの?など疑問に思ったことはありませんか?
最近の研究ではストレッチにはリラクゼーションの効果があると明らかになっており、ストレッチをすることで脳波に変化があり、自律神経が整い心身ともにリラックスする効果があると言われております。ストレッチをすると一時的に関節の可動域が広がったり、筋肉のコリや痛み、違和感が軽くなることがありますが、長期的に筋肉が柔らかく柔軟性を保つにはストレッチのやり方にポイントがあります。
POINT!
- 伸ばす強度は、ほどよく痛気持ちいい~まで!
- 伸ばす時間は、合計時間が最低でも90秒以上
- セット数は、5セット以内
- ①~③を8週間以上(2か月以上)継続する
伸ばすときに痛みが出るほど伸ばしてしまうと、筋肉を痛めたり、筋肉を守ろうと逆に筋肉が収縮して伸ばさないようにする反応が起こります。伸ばす強度は気持ちいい~痛気持ちよく感じる程度までが、最も筋肉の柔軟性が改善されると研究で明らかになっています。また筋肉を伸ばす時間ですが大事なのは一回の伸ばす時間よりもストレッチをする合計時間が大事とされています。
一回の伸ばす時間(秒数)×セット数の合計時間が90秒以上が理想です。例えば
- 1回60秒伸ばしてそれを2セットする⇒60秒×2セット=120秒
- 1回20秒伸ばしてそれを5セットする⇒20秒×5セット=100秒
このように伸ばす時間とセット数を90秒以上になるよう計算してストレッチをしましょう。
セット数も多くやればやるほど効果があるのかと言うとそうでもありません。5セット以上してもさほど効果に差が出ないという研究結果があります。
柔軟性を出すには以上の伸ばす強度と伸ばす時間×セット数を90秒以上にし2ヶ月以上継続的にすることで個人差はありますが、一時的な効果ではなく筋肉自体の柔軟性の効果が長期的に現れると研究結果で明らかになっています。
ストレッチすると筋力が低下するってホント?
ケガ予防の為に運動前にストレッチをしたり、運動パフォーマンスを上げるためにストレッチをすることがありますが、運動前にストレッチすると逆に運動パフォーマンスが上がらなかったり、ケガ予防にならないことが明らかになってきました。一時的によく行われるストレッチは、座った状態や立った状態から筋肉を伸ばしていくストレッチで静的ストレッチとも呼ばれます。
一方で、動きながらストレッチを行うラジオ体操などは動的ストレッチと言います。
静的ストレッチのように筋肉をゆっくり静かに伸ばし続けると、筋肉が緩むため筋肉に力が入りにくくなり一時的に筋力が落ちた状態になります。そのため、筋肉トレーニングや試合の直前の静的ストレッチは筋力やパワーが最大限出しにくくなるためオススメしません。試合前など筋力やパワーが必要となる前は、筋肉と関節を一緒に動かすような動的ストレッチをすることで全身の協調性を高めてメインの運動へ移行しやすくなるため使い分けることが重要となります。また、腰痛など身体に痛みがある際はストレッチをすると逆に身体を痛めて症状が悪化することもあります。治療や施術を受けている方は担当の先生に自分にあったストレッチやストレッチを行う時期などを相談しながら行いましょう。